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春に向かう君たちへ

      
昨秋、特別講師として呼んでいただいた、大阪樟蔭女子大学の大淵先生から連絡が入る。この1月で先生が担当されていた授業が終わるため、ぼくから生徒のみなさんに何かメッセージをいただけないかとのこと。

少し照れくさいですが、以下にぼくが彼女たちへ書いた、ささやかな手紙を記します。


大阪樟蔭女子大学のみなさんへ

こんにちは、お久しぶりです。お元気ですか?
昨年は、私の舞踏の授業に参加してくださり、ありがとうございました。初めて体験することばかりで、みなさんとても戸惑われたと思いますが、大淵先生からいただいた、レポートを読ませていただき、私の方がみなさんから深い感動をもらいました。それは、こんなにも素直に深く、あの授業を受け取ってくれているとは思っていなかったからです。ある人は、自分の幼い頃の体験と重ねて舞踏を感じてくれていたり、またある人は、舞踏の中に自分と向き合う大切さを感じ取ってくれていました。そして、なにより嬉しかったのは、みなさんが私自身が、無意識で言った言葉をしっかりと拾っていてくれたことです。

「心を落ち着かせれば人間優しくなれる」

「人は、見つめた先にしか進めない」

そんな素敵な言葉言ったかなー?と自分でも思うのですが、きっと、言葉も踊りと一緒で、あの場所にいた私とみなさんの共同作業の中で自然に生まれて来たものなのだと思います。それはつまり、みなさんがいなければ生まれなかった感情であり言葉だと思います。そのように、人生には、あらかじめ計画されたものではなく、生きてみないと、関わってみないと、生まれることのない、喜びや悲しみ、出会いや別れ、言葉や踊りがあります。

自分の心を誤摩化さないで生きるということは大変なことです。特に誰よりも誤摩化しまくって生きてきた私にとっては、それはもう大変です。舞踏と出会った時、私は、それまでの人生で、本当の一歩すら踏んでこなかったことを知らされました。愕然とすると同時に、深い希望を覚えました。それは、当時、本当にズタボロで、もう既に終わってしまったと思い込んでいた自分に対して、「お前は何も始まっていない。お前の本当の人生はここから始まるんだ。だからもう嘘はついちゃいけないよ。」と言われた気持ちでした。

とは言っても、簡単に変われるほど、人間は単純ではありません。だから、今でも、私は何度踊っても、満足することはありません。いつも公演後は、「また嘘ついちゃったな」と、ただただしゃがみ込むだけです。だけど、今度こそは嘘のない本当の踊りが踊りたい。そんな気持ちで、いつも新しい舞台に挑んでいます。歩いても歩いても辿り着けない私の真っ直ぐな道。だけど、その先にきっと私を待っていてくれる一点の光がある。それを信じて、次の一歩に私の全てを賭ける。それは、あまりにも不器用で、途方に暮れるような遥かな旅ですが、なぜだか命は泣きたくなるくらい嬉しく、充実しているのです。これから先みなさんの人生にも、もう生きられないというような不安や悲しみがやってくるかもしれません。でも、どうかその時には、深い悲しみすら踊りに変えてしまう、舞踏というものを体験したことを、少しだけでも思い出してくだされば幸いです。

最後に私の大好きなことばをみなさんへのエールに変えて・・・

「やがて痛手は何かを創造することだろう。自然と同じように人間は抑圧をエネルギーに化することが出来るものなのだから」吉本隆明

みなさんの未来が、素晴らしく美しいものであることを祈っています。またどこかでお会い出来る日を楽しみにしています。本当にありがとうございました。

田中誠司



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