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川口隆夫ソロダンスパフォーマンス『大野一雄について』について

11月28日(土) 京都芸術劇場(春秋座)

プロローグには、

大野一雄の残された公演ビデオから、川口隆夫が動きだけを”完全コピー”し、ダンサーとしての大野一雄を再現する試み。

土方巽演出による大野一雄の舞台より3作品、
1977年 ラ・アルヘンチーナ
1981年 私のお母さん
1985年 死海

そして1968年 映画「O氏の肖像」を模写する。

観る者はそこに生前の大野の面影を重ね、
大野を知らない者もまた、そこに大野の踊りを想像し重ねる。

川口隆夫による大野一雄について。

と書かれています。


まず観客は、劇場客席ではなく、春秋座のステージ裏の倉庫に誘導され、そこに散乱したゴミ溜めから即興パフォーマンが始まりました。混沌と遊戯、冷静と狂気、おもむろに訪れるテンションの高まりから、あっという間に全裸へ、そして気が付くと身体中に山のようなゴミを纏い、老いた男娼ディビーヌに変貌を遂げた男は、そのままステージへと向かいます。観客は川口さんに着いていく形で、バックステージを移動し、誰もいない劇場の客席に対面する形で、ステージ上に用意された即席の座席に座りました。川口さんは、一人、無人の劇場の客席に降りて行き、果てる。

死と復活。

そこから、再び全裸になり、ステージにあがり、以降は無人の客席を背景にするかたちで、観客と対面し、様々な衣装に着替えながら、大野一雄をめぐる舞台が進行していきました。

この作品については以前から噂に聞いており、東京の知人からも、いつか必ず見るようにと勧められていたものでした。僕が憧れて、憧れて、この世界に入り、亡くなる前の5年間、その側にいさせていただいた大野一雄先生についての作品を、舞踏家ではない一人のパフォーマーがいったいどのように踊るのか?僕だけではなく、きっと多くの方々が注目していた舞台だと思います。

まず、僕が興味深かったのは、初めのシーンで即興パフォーマンス(ここは川口隆夫のオリジナル)をしているときの彼の意識の有り様です。深く集中しているのに、身体は観客や空間に対して非常にリラックスして開かれている。その時の目や体。信頼と可能性。

次に、彼の大野一雄の模写について。

彼の模写が精密になればなるほど、川口隆夫という一人のパフォーマーの53歳の肉体がはっきりと空間に立ち現れてくること。そして、そこに肉体をかけて生きた者同士の時間を超えたシンクロを感じました。

はっきり言えば、彼はまったく大野一雄には見えないのだけど、今、僕は、大野一雄の舞台に立ち会っているのだと確かに実感される不思議。

そして、今まで数多の舞踏家たちが試みてきた大野一雄の踊りに対する精神的なアプローチより、遥かに知覚でき、また肉薄しているようにも感じる、川口隆夫によって可視化される、大野一雄の踊りの、幻想ではなく、"事実としてのカラクリ"。

道化になりきって踊った、大野一雄を模写するときに、川口隆夫の表情から出てくるのは、不思議な哀しさ。それは、踊ること以前の "人間、大野一雄"の哀しさなのか、それとも川口隆夫自身の哀しさなのか、まるでそれは、ルオーの描く道化師を見ているような、なんとも言えない感慨がありました。

あと、これは、僕自身が目指すこれからの踊りについても考えさせられたことなのですが、大野一雄と川口隆夫の踊りには決定的な違いがあり、僕はその違いが一番面白かったです。

それは、大野一雄の踊りはいつも即興でなされており、彼自身、二度と繰り返すことの出来ない、その日、その瞬間瞬間に影響されながら踊っているのに対して、川口隆夫の踊りは、それがどんな環境であれ変わらず、ビデオの中の、いつも同じリズムで同じ動きをしている大野一雄を繰り返し模写しているということです。

なのに、僕は川口隆夫の一瞬一瞬に存在する刹那に、他の舞踏家が近づけない大野一雄の気配をはっきりと見たのです。

「そうか。こんなに凄いことをしている人がいるのか。では僕はこれから、僕にしか出来ない踊りに、どう挑んでいこうか。」

でもどこから始めればいいのか?

また振り出しに戻していただきました。

ブラボー!川口隆夫!!


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