You are not Logged in! Log in to check your messages.

Check todays hot topics

Search for Services:

Please Log in

リヒトのこと

そのしなやか人は、風のように現れて、頑なだったぼくの心にそっと触れた。

上京して6年目、映画監督になる夢は遥かに遠く、ぼくは完全に出口のない袋小路に入り込んでいた。
自分の不安と苦しみから、仲間たちや恋人ともうまくいかず、まったくの孤独の中にいたある日、とあるドキュメンタリーのワークショップで彼と出逢った。

毎日不安定でボロボロだったぼくの、精一杯の夢の話を、彼はいつもいつも大切に聞いてくれた。

ある時、彼がふと口にしたことば。
「田中くん、ピナ・バウシュっていう人を知ってる?」
「知らない、誰それ?」
「ぼくの大好きな人だよ。」

それが、すべての始まりだった。

数ヵ月後、何かにすがるように、生まれて初めてダンスというものを観に行った。

ピナ・バウシュさんのヴッパタール舞踊団の公演。
そして、終演後のロビーで偶然に出逢った大野一雄先生。

その時に撮らせていただいた、ピナさんと大野先生の写真。
2人のことなど、なんにも知らないのに、なぜだか涙が止まらなかった。

あれから何年になるだろうか・・・、

お互いに、大切な人との出逢いや別れがありまして、
喜び悲しみありまして、

気がつくと、かつてまったく踊ったこともなかった2人の若者は、共にダンサーになっていた。

今、彼はドイツで、ぼくは奈良で、それぞれの夢を生きている。

そして、ぼくが、ダンサーとして初めて海外に招かれた場所が、偶然にも、彼の家のすぐ近くだったなんて。
この広い世界で、こんな偶然が・・・、

そんな風に、ぼくらには、いつも不思議な物語が用意されている。

いつか、ぼくが苦しんでいた時に、彼がドイツから送ってくれた手紙には、
「心の波を静めなさい。わからなくても進みなさい。」
とだけ書かれていた。

ぼくは、そのことばに、今までいったい何度、助けられて来ただろう?

神谷理仁。 カミヤリヒト。

風と音楽の詩人。 素晴らしいダンサー。

これは、信じるということを、ぼくに教えてくれた、大切な友との物語です。

リヒトとセイジ

リヒトへ
いつもありがとう。
久しぶりに逢えて、元気そうで、嬉しかったです。
いつか辿り着く日まで、喜びのダンス、踊りつづけよう。

過去と現在と未来の子供たちのために・・・



COMMENT

ありがとう。

なんだか本当に不思議に包まれて生き続けているね。
今も踊っていられることに心から感謝しているよ。
今週の土曜にドイツの小さな教会で踊ります。
田中君のこと思いながら
Bad Kreuznach にて


2013.09.06| URL| 神谷理仁 #- [編集]

管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK

トラックバックURL:

    (copyボタンはIEのみ有効です)
« | HOME |  »